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人の縁とは不思議なもので・・・・今後の参考にという事で参加した講座で面白い方と知り合った。

 

野元春香」という女性カメラマンである。

 

人柄も私が好きなタイプなんだが、とにかく人の表情を捉えるのがとてもうまい。

しかも美容師もしているという。

 

 

絵描きと写真家というのは犬猿の仲のように思う人も多いのだが、私個人としては写真は好きである。

ただ・・・・どちらかというと〝撮られる” よりも「撮る専門」

 

 

これを言うと意外と言われるのだが、私は高校時代美術部ではなく写真部だった。

オマケに最終的に部長にもなり、いくつかの賞で入選している。

 

昔は今のように何にでもカメラがついているような事はなかったし、そもそも女で一眼レフをぶら下げている奴のほうが珍しかった。

そんなわけで皆で何処かに出掛ける時はカメラマンである。

 

 

確かにシャッターを切るのは楽しい。

現像も楽しい。

 

 

しかし私はその瞬間の美、目の前のモノだけを撮る事に飽いてしまった。

いや、そもそもカメラを持ったのは、大っぴらに絵が描けない代償行為だった。

 

我が父は絵を描くことは許さなかったのだが、写真は過去に自分がハマった事もあり・・・・蔵に仕舞いっぱなしになっていたアサヒのペンタックス一式を気前よく私にくれたのだ。

 

代償行為故に、結局定着しなかったもの。それが写真だ。

 

 

勿論今も写真は撮るが、それは大体作画の資料としての記録画像である。

そして相変わらず人物は頼まれない限り撮らない。

 

元々「はい、こっち見て笑って」というのをするのもされるのも苦手なのである。

 

 

 

まぁ自分の写真なぞ無くても困りはしないのだが、今後作品展などでプロフィールを提示する際に何もないのも寂しい。

そんなわけで先日、知多にある彼女の店まで愛車を飛ばして髪を切ってもらった後、少し撮影をしてもらうことにした。

 

 

 

絵描きであれば、プロフィール写真は筆を握る所がいいのだろうが、私は絵を描く姿を人に見せるのが嫌な質だ。

落書き程度ならいいが、本当に集中している姿は夫ですら見たことがない。

 

そんな姿を拝めるのは、我が家の獣たちと筆神さんだけである。

 

 

これは恐らく私に最初に絵を勧めた美術教師の「絵は独りで描くものだ」というのが刷り込まれた結果だとは思うのだが、どうにも人がいると集中出来ない。

 

ただ単に筆だけ握ってポーズが絵描きらしければいいとかそうゆう問題ではない。

 

 

〝それらしい”というのは〝それそのもの”とは全く違うのである。

 

 

そんなバカバカしい事をするくらいなら私はバイクと写真が撮りたいと思った。

バイクは仕事の性質上こもりきりになりそうな私を外へ引っ張り出す大事な相棒だ。

 

 

なんとも絵描きらしからぬ写真ではあるが、これも私の顔である。

私の側面である。

 

 

それに我が相棒は実に美しいフォルムだ。

 

HONDA CB400SSの2001年式モデル。

タンクカラーは〝パールアトランティスブルー”

 

今時のバイクには珍しくキック始動しかない骨董品寸前の車種である。

 

よくYAMAHA SRに間違われるが・・・・私としてはSRより優美な印象を受けるのだが・・・・どうだろう。

 

 

 

傍から見た「絵描きらしい」とか「私らしい」というイメージも大事だろう。


だが、実際にこのバイクは私の手元にやってきてから1万5千以上の距離を私とともに移動している。

これは紛れも無い事実だ。


そして、これに乗る事で受ける様々な刺激も作品を作る上での糧なのだ。

 



他人の勝手なイメージは関係ない。 

それが事実であるのだから、これを駆る私の顔もやっぱり私の持つ無数の顔の中の一つだ。

 

 

このようなプロフィール写真の必要性については賛否両論ある。

 

私個人の事で言えば、まぁHPやセルフマガジンなどに少しあればいい程度で、SNSのプロフ写真にまでしようとは思わない。


毎日見てもらえるなら、自己主張として写真を載せるのではなく絵を見てもらいたい。


そんなの当たり前だろう。私は絵描きだ。

顔を売ってるわけではない。

作品を売っているのだ。



だから野元さんに写真はお願いしたものの、掲載するのは顔が映っていないもの1枚くらいにしておくつもりだった。

 

 

そのつもりであったのだけど・・・・出来上がった写真と撮影中の彼女の姿があまりにも楽しかったので御蔵入りにするのがもったいなくなってしまった。

 

 

そんなわけで彼女と私の相棒に敬意を表し、此処にだけこっそり全部掲載する。

 

 

まぁこれを見た友人が「バイクババア6連発か」と言ったのだけど、もう39なのだからそこは仕方がないだろう。

 

若い美人から絵を買いたい奴はそうすればいいし、

絵描きらしい奴からしか絵を買わないという奴はそうすればいいさ。

 

私は私から買いたい、私の描いた絵を見たいという人に描いて売るだけだ。

それ以外は好きにしてくれ。


 

人の顔なんて一つじゃないし、正面だけでもないのだ。

一つの顔しか持たない人間なんざ、逆につまらんだろ?